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BOT (Basal Oral Therapy)の実際

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BOT

現在流行りの基礎(Basal)インスリン+経口糖尿病薬(Oral)を組み合わせたBasal Oral Therapy(BOT)であるが、私が実際にBOTを行い奏功した症例をご報告する。
症例1) 50歳男性、SU剤・ビグアナイド・α-グルコシダーゼ阻害薬を併用するもHbA1cは9-10%とpoorな状態が続いた。再三にわたりインスリン導入を勧められるも拒否していた。尿ケトン陽性となったことからインスリン導入の必要性が高まったが、入院による強化インスリン療法は断固拒否し、デテミル1回打ち+SU剤併用でコントロールを試みた。基礎インスリンを追加するにあたり、予期しない低血糖が出現する恐れがあったためグリメピリドは6mgから2mgに減量した。ボグリボースは中止。メトホルミンはそのまま継続とした。当初はデテミル4U/日で開始した。開始前HbA1c 10.5%→1か月後9%→2か月後8.5%と低下した。その後デテミルを6U/日に増量。HbA1cは徐々に低下し、7%まで改善している。低血糖はみられていない。

症例2) 症例1と同様の典型的SU剤2次無効例である。本症例ではグリベンクラミド10mgを5mgに減量、ボグリボースを中止した。デテミルの量を4→6→8U/日と慎重に漸増した。この症例も低血糖を伴うことなく順調にHbA1cが低下している。

上記のような症例ではインスリン分泌能は保たれているものの高血糖が持続したことにより糖毒性をきたしていたものと考えられる。基礎インスリンの追加により糖毒性を解除することに成功した。追加分泌の悪い症例ではうまくいかないが、私は上記2症例のようなタイプは潜在的に多いと考える。2症例とも「インスリンを始めたら体が軽くなった!」「こんなに簡単ならもっと早く始めれば良かった!」とおっしゃっている。2次無効だがインスリンはちょっと・・・という患者さんには一考の余地のある治療法である。

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