GPR119

SGLT2阻害薬の次の糖尿病新薬はGPR119作動薬

21/03/2010

SGLT2阻害薬の次の糖尿病新薬はGPR119作動薬

GPR119

GPR119

次の糖尿病新薬として注目されているのがSGLT2阻害薬であるが、その次がある。GPR119作動薬である。船橋市には多数の糖尿病患者さんがおられ、新しい薬剤の登場を心待ちにしておられる。

GPR119 は、G タンパク質共役型受容体 (G Protein Coupled Receptor: GPCR) の一つで、膵臓及び消化管に発現している。

GPCR

細胞膜に存在し、細胞外から送られてきた様々な信号を細胞内の情報伝達系に伝える役割を果たす受容体は複数存在する。このうち、細胞内に存在するGタンパク質を介してこの役割を果たす受容体をGPCRと呼び、その数は1000種類に及ぶとされている。なお、現在市販されている医薬品のうち、半数以上がGPCRに結合し作用するものである。

GPR119

膵臓及び消化管に発現しており、リゾホスファチジルコリン及びオレイルエタノールアミドをリガンドとするグルコース依存性インスリン分泌性受容体である。GPR119 特異的アンタゴニストは、生体内でグルコース依存性インスリン分泌を促進し、GPR119 欠損マウスではグルコース耐性が損なわれる。またGPR119 はインクレチンの分泌を刺激するほか、グルコース依存性インスリン分泌ペプチド及び GLP-1 を産生する消化器系領域に高発現している。GPR119作動薬はグルコース依存性インスリン分泌をするようであるが、その機序にはインクレチンが大きく関わっているようである。アステラスがこれを開発しているというニュースが流れた。新薬がどんどん出てきて、数年後には船橋市の糖尿病診療が大きく変わるだろう。懐かしい感じの血糖測定器、そうでない自己血糖測定器、使っているものは人それぞれだと思う。どれだけの時が流れれば、新しい自己血糖測定器、そして新しい糖尿病治療に出会えるのだろう。窮屈に生きている自分を感ながら。糖尿病患者さんの多くは孤独である。心のサポートがあるからこそできるケアがある。自由に孤独はつきものであるが、自由は放縦とは違う。好きなことができる代償として、孤独の代償を伴うものである。糖尿病治療ほど、孤独では何もできない疾患はないのではないだろうか。健康な時には取るに足らないと思えるような仲間、家族でさえも、そのようなときにはかけがえのない存在になりうるのである。一見、スマートに生きているようでも一寸先は闇である。

-GPR119