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米保険ウェルポイント、ロシグリタゾンの心臓へのリスクはピオグリタゾンと同程度と報告

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ここ数年、ロシグリタゾンの心血管イベントへの懸念が論じられてきたが、それを否定する報告が出た。ロシグリタゾンのリスクはピオグリタゾンと変わらないとしている。これまでの議論に一石を投じるのは確実だ。

英製薬グラクソ・スミスクラインの糖尿病治療薬「アバンディア」(一般名:マレイン酸ロシグリタゾン)について24日、心臓へのリスクは武田薬品工業の「アクトス」(一般名:塩酸ピオグリタゾン)と変わらないとの報告書が発表された。これまで発表された報告とは異なる内容で、「アバンディア」の安全性をめぐる議論に一石を投じている。
報告をまとめたのは米保険ウェルポイント の調査部門ヘルスコアで、「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」誌に掲載された。それによると、3万6000人以上の糖尿病患者を対象にした調査で、死亡あるいは心臓発作や心不全を起こすリスク、両方のリスクは、アバンディア、アクトスともに4%程度だった。

ロシグリタゾン・ピオグリタゾンの違いについては、PRACTICE;25,74,2008にて東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 岡崎由希子先生、植木浩二郎先生が詳述されているので以下に引用する。両者の脂質に対する作用の違いが心血管イベントへの影響の違いとなって現れている可能性がある。

2007年、NEJM誌に掲載されたロシグリタゾンのメタ解析結果が、ロシグリタゾンの心血管リスクを提起した。この論文は、ロシグリタゾンと他の血糖降下薬やインスリンまたはプラセボを用いた無作為化比較試験を42文献集めて施行したメタ解析であった。ロシグリタゾン使用群の心筋梗塞発症のオッズ比は1.43、心血管イベントによる死亡のオッズ比は1.64であり、ロシグリタゾンの心血管への悪影響を示した内容であった。
Nissen SE et al;NEJM,356,2457-2471,2007

一方のピオグリタゾンは、心血管イベント抑制効果がPROactiveによって示されていることに加え、ロシグリタゾンのメタ解析を行ったNissenにより行われたアクトスのメタ解析でも、心血管イベントに対し好影響を及ぼすことが報告されている。
Lincoff AM et al;JAMA,298,1180-1188,2007

両剤の違いとして脂質に対する違い、特にトリグリセリドに対する違いが報告されている。
両剤の二重盲検比較試験であるGLAI studyでは
①悪玉コレステロールであるLDL-C粒子数をアクトスは有意に減少させるが、
 ロシグリタゾンは有意に上昇させる。
②善玉コレステロールであるHDL-Cをアクトスは上昇させるが、ロシグリタゾンのHDL-C
の上昇効果はその半分である(有意差あり)。
③中性脂肪をアクトスは低下させるが、ロシグリタゾンは増加させる。
というように両者の脂質プロファイルは異なっていることが示されている。
Goldberg RB et al;Diabetes Care,28,1547,2005

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