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Diabetes treatment in patients with renal disease:Is the landscape clear enough? CKD合併糖尿病患者の薬物療法

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Diabetes treatment in patients with renal disease:Is the landscape clear enough?
CKD合併糖尿病患者の薬物療法


メトホルミンは未だ根強い支持がある。eGFR30mi/min以上なら。30-60ml/minの患者は(それ以上の患者よりも)より頻回な腎機能モニタリングが必要だ。


SU剤、グリニド、インスリンは低血糖のリスクにより注意が必要だ。減量が望ましい。


DPP-4阻害薬は低血糖が起きにくく使いやすいが、リナグリプチン(トラゼンタ)以外は腎障害の程度によって減量が必要である。


世界には数百万人のCKD患者がいて、様々なイベントを惹起し死亡率を上昇させる。例えば米国人の11%がCKDと見積もられている。末期腎不全になれば心血管イベントを起こすし、人工透析や腎移植が必要になってくる。船橋市の糖尿病患者さんにも同様のことが言える。


CKDの最大の原因が糖尿病である。
特に心腎連関が問題!!
微量アルブミン尿なら心血管イベントリスク2倍、それ以上のステージならよりハイリスクである。
糖尿病患者は他のリスクファクターも併せて集中的治療を受けねばならない。高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症、貧血、そして虚血性心疾患CVD。


ADA,EASD2012のガイドライン
同ガイドラインでは患者個々人に合わせた目標設定を提唱している。重大な合併症のない大多数の患者はHbA1c7%未満になっているが、重い合併症のある群(通常CKDもこれに含まれる)は7-8%の間で、ということになっている。tうう
HbA1cは一般的な血糖コントロールの指標で、CKD患者にも適応される。しかし、腎障害の程度が進めば(例えば貧血になって)有用な指標となりえないこともある。通常はSMBGに頼らざるを得ない。
CKDの患者には通常CVDもある。正常な腎機能は糖新生の30%を担う(?)、空腹時の重要低血糖を避けるために不可欠なものだが。
腎障害が高度では糖尿病薬の薬効が増強したり遷延したりする。


糖尿病患者の腎障害の見積もり
1:血清クレアチニン濃度
2:eGFR


メトホルミン
世界的に第一選択とされている。その利点は低血糖の少なさ、軽度ながら体重減少作用があること、効果の確かさ、コストの安さである。UKPDSによりメトホルミンベースの治療法は心血管イベント死のリスクを低下させることが示されている。軽度腎障害の患者に対するメトホルミン使用の可否には賛否両論がある。メトホルミンはゆっくり吸収され、3hで最大血中濃度。徐放剤なら4-8h。メトホルミンは水溶性なので細胞膜に溶けない。肝臓で代謝されない。尿中排泄である。
乳酸アシドーシスのリスクは10万人に4.3例。
メトホルミンの減らし方:Table1
ピオグリタゾン
ピオグリタゾンは完全肝代謝。腎障害に左右されない。ただし、体液貯留や骨粗鬆症があるので注意。15mgに限定するのが常。


SU剤
CKD患者では低血糖に注意。
グリベンクラミド:肝臓で代謝され、腎排泄と便中排泄が同等。CKDは代謝物が蓄積する。24時間以上低血糖が遷延することもある。eGFR60-90の患者は減量、60以下なら禁忌。
グリメピリド:肝臓で2種の血糖降下作用のある代謝産物になる。半減期5-7hだが24時間以上遷延しうる。eGFR60以上なら安全、30までは減量、stage4 or5は危険。
グリクラザイド:肝臓で代謝され、不活化され、尿中排泄される。よって他のSU剤よりも低血糖リスクが低い。stage1-3 (eGFR>30)ならOK。
グリピジド:中程度ー高度腎障害でも用量調節不要。


グリニド
レパグリニド(シュアポスト)、ナテグリニドは短時間作用型インスリン分泌促進薬。よって低血糖のリスクは低い。CKD患者に使用する際の利点である。レパグリニドは消化管から吸収され、肝臓で酸化・グルクロン酸抱合される。代謝産物は4種あるが、胆汁排泄で血糖低下作用を持たない。stage4-5でも減量なしで使用できる。
ナテグリニドも同様に代謝され、9種の代謝産物になる。これらはナテグリニドよりも遥かに弱い活性である。stage5は禁忌、stage4は60mg×3に減量。


DPP-4阻害薬
シタグリプチン:あまり代謝されない。肝臓で代謝CYP3A4.
80%以上が尿中排泄。6種の代謝産物あり。CKDでは2-4倍効く。
ビルダグリプチン:吸収が早い。1.1hで血中濃度最高。85%が尿中排泄。eGFR<50で50mg1回。
サキサグリプチン:最初に肝臓で代謝 CYP3A4/5.24%がサキサグリプチンとして尿中排泄、36%が活性のある代謝産物として排泄。stage3以降で半量に。
アログリプチン:ほとんど代謝されず、そのまま尿中排泄(70%以上未変化体で)。減量は日本式。
リナグリプチン:80%が胆汁排泄、5%が腎排泄。ほとんど代謝されず、そのまま排泄。用量調節不要。


GLP-1受容体作動薬
消化器系への副作用がCKDを悪化させかねないので注意が必要だ。嘔吐、下痢による脱水等。


エキセナチド:完全腎排泄。尿細管で分解。DPP-4にもneutral endopeptidaseにも分解されない。肝臓では代謝されない。CKD3では減量が必要(5μg×2、グルコースモニタリング)stage4,5は禁忌。
(日本では5μ×2で開始、1ヶ月たったら10μ×2に増量可能)
リラグルチド:DPP-4で分解され、NEPでも分解される。呼気には15%も出るのに、尿便には26.3%しか出ない。体内でほとんど分解され、尿や便には出ない。よって、全てのstageのCKDに使用可能である。しかしeGFR<60のデータに乏しい。未だpublishされていないが、CKD3以上でのsafety & effectivenessのデータあり。

インスリン
腎は外因性インスリンの3分の1を分解している。腎のクリアランスの60%は糸球体ろ過で、40%は尿細管周囲の再吸収。eGFR10-50で外因性インスリン(degradation)は25%減、eGFR10%未満で50%減。

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