武田薬品工業株式会社が1949年の上場以来初の赤字転落
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米国におけるピオグリタゾン訴訟に対して27億ドル（3241億円）の和解金を支払うことになったため前期の連結最終損益は従来の650億円の黒字見通しから一転し1450億円の赤字となる。しかし、財務への影響は限定的である。昨年12月末時点で約7800億円の現金等を持ち、年間1000億円以上を売り上げる医薬品もあります。仮に3000億円強の和解費用の全てを現金で支払ったとしても、資金繰りに大きな支障はない。
ピオグリタゾン訴訟であるが、米ペンシルベニア大学などが10年間にわたって検証したデータがあります。解析結果によるとピオグリタゾンの長期投与と膀胱がんとの関連性は認められず、武田はこうした結果を米食品医薬品局（ＦＤＡ）などに報告済です。武田は「正しい処方で服用すれば安全性に問題はない」と説明している。
武田薬品が膀胱がん発がんの危険性を十分説明していなかったとして、米国では約9,000件もの製造物責任訴訟を起こされている。武田薬品は、薬の安全性には問題がないと主張しているが、訴訟の長期化によるコスト増や企業イメージの悪化を避けるため、和解に踏み切った模様だ。和解の発表文でも「原告の主張には根拠がないと考えており、当社の法的責任を認めるものではない」と強調している。