日本政府が推進する医療ツーリズム
医療ツーリズムの世界で、我が国はまだ出遅れ感が否めない。そんななか、日本政府は「旅を楽しみながら健康づくりをする」ことを訴えていく方針だ。
名づけて「ヘルスツーリズム」。これを普及させようと、政府は、国内各地の自然や郷土料理を活用した健康的なツアーの認証制度を導入する予定である。世界一の長寿国・日本の魅力をPRし、アジアや中東から外国人観光客を呼び込もうというもので、今夏に策定する成長戦略に盛り込む方針だ。
糖尿病日本一・徳島県の糖尿病ツーリズムが話題になったが、生活習慣病をターゲットにしたヘルスツーリズムを盛り上げていく予定である。食事療法や運動療法は楽しんで行わないと長続きしないものである。
日本の医療ツーリズムの目玉の一つが温泉であるが、ハイキングに温泉を組み合わせたツアーが練られている。また、管理栄養士や医師らの協力で、食事や健康相談、運動指導、糖尿病予防プログラムを組み込んだものもある。
日本政府が計画している認証制度では、経済産業省などが、健康ツアーの基準として、
- 食事は塩分控えめかどうか
- 参加者が体重や血糖値を減らせたかどうか
- 旅行後も運動を続けられるかどうか
など、具体的なチェック項目を策定する。基準を満たしたツアーを第三者機関が認定し、主催者が来年度から認証マークを表示できるようにする。
認証マークを取得したツアーは、関係省庁や自治体が、外国人観光客向けの旅行ガイドブックでの紹介や旅行商品への組み込みを呼びかけていく。健康保険組合による健康ツアーの活用も想定されている。インバウンド消費の喚起も必要である。船橋市に医療ツーリズムを呼び込むために糖尿病内科に何かできることがあるだろうか。