メタボリックシンドローム

メタボ検診の費用対効果 3年間で2万円の医療費抑制

29/06/2015

メタボ検診の費用対効果 3年間で2万円の医療費抑制

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームの人間を対象に行う改善指導の効果が初めて実証された。皆様もご存知の通り、男性で腹囲85cm以上、女性で90cm以上の人のうち、血糖、脂質、血圧の二つ以上で基準値を超えるとメタボリックシンドロームと判定される。

厚生労働省が10万人の調査を行った。メタボ検診(生活習慣病を防ぐための特定健康診査)の費用対効果である。メタボ検診を受けて改善指導を受けた人は3年間で2万円医療費抑制が出来る。そんな結果である。

2008年度に特定健診で保健師の指導を受けるよう求められた40-64歳が対象となった。指導を受けて6カ月間、diet therapyを行ったもしくはexerciseした11,771人に対して指導を受けなかった87,653人を2009年度から3年間にわたり追跡調査したものである。 結果であるが、代表的な生活習慣病である高血圧症、脂質異常症、糖尿病に関連する関連の3年間の1人当たり医療費(保険適用分も含む)は、指導を受けた男性が55,560円、女性が78,650円であった。指導を受けなかった人より、男性が19,000円、女性が21,210円少なかった。

最後に問題がある。それはこの保健指導のコストである。コストは約18,000円である。約3割が国費で残りを保険者と利用者などが負担するが、3年間では収支はトントンであるという。さらなる長期のフォローアップが求められる。最初の3年間ではトントンであっても、10年経てば有意差を持って医療費抑制ができるのならしめたものである。

糖尿病に至らない耐糖能障害を持つメタボリックシンドロームの方は大勢いらっしゃる。糖尿病患者さんに対する治療と合わせ、こういった方々に対する介入も非常に大切になってくる。メタボリックシンドロームの方が糖尿病域に達しないようにすることが日本の将来のために役立つ。

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