糖尿病内科

糖尿病予防にデータヘルスの活用を

14/08/2015

データヘルスとは

「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)において、「全ての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画として「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組を求める」ことが決まっています。

すべての健康保険組合が計画を策定し、今年度から3か年の計画(第一期)で実行していくことになっています。それを受け、27年4月から「データヘルス計画」がスタートしました。データヘルスとは、健康保険組合がレセプトなどのデータを分析し、健康保険組合や事業所の全体的な健康状況、受診状況、医療費の状況などを把握し、加入者の健康リスクの階層化、介入効果が高い対象者の抽出などを行います。それに基づいて加入者の健康維持、増進のための事業計画を立案、実施していくものです。健康寿命の延伸、さらには医療費の適正化に結び付けることも目的としています。

糖尿病予防にデータヘルスの活用を

健診結果や受診歴などを基に、加入者を高・中・低リスク層、健康層などに層別化します。中・高リスク層の人に対しては、未治療、あるいは治療を中断しているといった情報も加味しながら、対象者に受診勧奨を行うことを予定しています。糖尿病を含む生活習慣病を未然に防ぐことに効果が期待できるのです。糖尿病予防のためにインセンティブをつけることも考えられています。健康づくりに取り組んだ際にポイントを付与し、ポイントが貯まれば、景品に交換するといったインセンティブプログラムを設けているところもあるようです。データヘルスに関して国民健康保険特定健康診査等のデータを活用したデータヘルス計画を策定していく自治体は少なくないようで、多くの自治体が住民の生活習慣病予備軍の方に対して積極的に介入し、糖尿病予防を推進していくと考えられます。

日本健康会議がデータヘルスを後押し

7月に発足した日本健康会議がデータヘルス計画をサポートします。医療関係団体や経済界、日本健康会議には自治体のリーダーが参加し、健康寿命の延伸と医療費の適正化を図ることを目的に、民間主導で取り組んでいきます。「健康なまち・職場づくり宣言2020」を採択した同会議。企業や保険者、自治体における先進的な取り組みを展開させることを宣言したものです。かかりつけ医等と連携して生活習慣病の重度化予防に取り組む自治体を800市町村以上にすること、加入者自身の健康・医療情報を本人に分かりやすく提供する保険者を原則100%にするといった8つの宣言が盛り込まれています。 データヘルスに投資するからには、結果を出さねばなりません。加入者の健康維持で生産性を向上させ、同時に医療費抑制も達成する。その真価が問われるところです。

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