高尿酸血症

フェブキソスタットの死亡リスクをFDAが警告

フェブキソスタットの死亡リスクをFDAが警告した

febuxostat-uloric

febuxostat-uloric

表題の通り、2019年2月21日にFDAが警告を発した。

FDA adds Boxed Warning for increased risk of death with gout medicine Uloric (febuxostat)

Uloric(フェブキソスタット)による死亡リスク増加についてのBoxed Warning(枠組み警告)を追加した。フェブキソスタットはアロプリノールと比較して死亡リスクを高めるとFDAが警告している。

フェブキソスタットは日本市場において幅広く使用されている薬剤である。日本国内であってもFDAの警告を無視できるわけがなく、これから薬剤選択の見直しが進みそうだ。

Febuxostat

Febuxostat

フェブキソスタットの心血管リスク CARES試験

フェブキソスタットの心血管リスクについて2018年に報じられていた。NEJMの論文である。

フェブキソスタットの心血管イベントを評価した論文-(CARES)trial-

痛風を合併している心血管高リスク症例6,190例を対象として、フェブキソスタット治療群とアロプリノール群にランダム化され、中央値32ヵ月追跡した試験である。その結果、複合心血管イベントに関してはフェブキソスタットのアロプリノールに対する非劣性は認められたものの、2次エンドポイントである総死亡、心血管死のリスクは有意に高かったという結果であった。この治験結果、イベント率では非劣性を満たしているが、死亡率は高率であった。心血管疾患合併痛風患者の高尿酸血症の患者さんに対し、アロプリノールが使用できる場合にフェブキソスタットを選ぶ理由はなくなったといえる。

Cardiovascular Safety of Febuxostat or Allopurinol in Patients with Gout
N Engl J Med. 2018 Mar 29;378(13):1200-1210.

痛風患者に対するフェブキソスタット(フェブリク)とアロプリノールの心血管安全性の比較

背景

痛風患者は心血管リスクが高い.痛風と心血管疾患を有する患者において,非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタットを投与した場合の心血管転帰と,プリン塩基類似体キサンチンオキシダーゼ阻害薬アロプリノールを投与した場合の心血管転帰を比較した.

方法

痛風と心血管疾患を有する患者を対象とした多施設共同二重盲検非劣性試験を行った.患者を,フェブキソスタットを投与する群とアロプリノールを投与する群に無作為に割り付け,腎機能で層別化した.事前に規定した非劣性マージンは,主要エンドポイント(心血管死,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,緊急血行再建を施行した不安定狭心症の複合)のハザード比 1.3 とした.

結果

全体で 6,190 例を無作為化し,フェブキソスタットまたはアロプリノールを投与した.追跡期間の中央値は 32 ヵ月(最長 85 ヵ月)であった.患者の 56.6%が試験レジメンを中止し,45.0%が追跡を中断した.修正 intention-to-treat 解析では,主要エンドポイントのイベントはフェブキソスタット群の 335 例(10.8%)とアロプリノール群の 321 例(10.4%)で発生した(ハザード比 1.03,片側 98.5%信頼区間 [CI] の上限 1.23,非劣性の P=0.002).全死因死亡率と心血管死亡率は,フェブキソスタット群のほうがアロプリノール群よりも高かった(全死因死亡のハザード比 1.22 [95% CI 1.01~1.47],心血管死のハザード比 1.34 [95% CI 1.03~1.73]).患者が治療を受けている期間に発現したイベントを対象とした解析と,修正 intention-to-treat 解析とで,主要エンドポイント,全死因死亡,心血管死に関する結果は同様であった.

結論

痛風と重大な心血管系の併存疾患を有する患者において,フェブキソスタットは,心血管系有害事象の発現率に関してアロプリノールに対し非劣性を示した.全死因死亡率と心血管死亡率は,フェブキソスタット群のほうがアロプリノール群よりも高かった.

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