ノボノルディスクがシェア奪還に攻勢

07/03/2010

ノボノルディスクがシェア奪還に攻勢

Novo Nordisk

「最近、ノボのMRさんはかなり気合が入っているな。」

と思っていたが、全社を挙げて巻き返しを図っているらしい。ランタスにシェアを奪われて危機感を持っているようだ。奪われたシェアを奪還するためにMR500人体制で攻勢をかけるようである。2005年時点でノボノルディスクのシェアは75%だったが、2009年末には67%にまで縮小している。基礎インスリン市場でランタスが増えているからである。基礎インスリン市場ではランタスが50%以上を占めているのである。75%以上のシェアを占めてきたノボノルディスクの力を改めてすごいと思う。

ランタスはオプチクリック時代には不具合の連続で全くダメだったが、BOTのプロモーションの力と、新しく出たランタス注ソロスターの使いやすさで本当に健闘していると思う。発ガン騒ぎもあったが、ほとんどイメージダウンせずにすんでいる印象だ。船橋市の糖尿病患者さんにも多数使用されている。

ノボノルディスクはビクトーザを売ることで、シェア奪還に躍起になっている。ノボノルディスクは我が国のインスリン市場では圧倒的存在で、今まではシェア8割とも言われてきた。しかし、サノフィ・アベンティスがランタスで基礎インスリン市場にの大攻勢をかけている。基礎インスリンをノボリンNからランタスへ変える例が少なくないのだろう。BOTを始めるときはレベミルよりもランタスを使うケースが多いのだろう。そんなわけでノボのシェアがジリジリ下がってきているのだ。

日本イーライリリーの「ヒューマログミックス50」攻勢もなかなかのものであるノボノルディスクがノボラピッド70ミックス、50ミックスを急いで出そうとしているのはこのためだろう。

とはいえ、ノボノルディスクはまだまだ外資系気質が抜けず、内資のような手厚いサポートは望むべくもないのが実情である。幸いインスリン市場は外資3社の争いなので外資同士の希薄な営業力の弱々しいぶつかり合いで済んでいる。すぐに内資が参入することは考えにくいが、バイオシミラーの時代が来ればわからない。グラルギンのバイオシミラーが出る時代が来れば、3社でシェアを分けあってきた業界地図は激変するだろう。2015年にはグラルギンの特許が切れる。その時には日本のメーカーに頑張っていただき、外資のシェアを綺麗に奪って欲しいものである。

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