脂質異常症

alirocumab, evolocumab,bococizumab 抗PCSK9抗体がもう少しで使える

04/04/2015

抗PCSK9抗体

pcsk9-inhibitor

pcsk9-inhibitor

家族性高コレステロール血症に対して有力な治療薬となり得る抗PCSK9抗体が世に出るのが間近になってきた。糖尿病患者さんのなかには、耐糖能障害だけでなく、脂質異常症の患者さんが多い。スタチンは進化しており、特にストロングスタチンを使用すれば並の高LDL-C血症は押さえ込める時代だ。エゼチミブもある。しかし、FHだけは別だ。 ロスバスタチン20mg,エゼチミブ等、ありとあらゆる兵器を投下してもコントロール不能であり、AMIを起こしてしまう症例は未だに存在するのである。最近まで、抗PCSK9抗体が商業的に成功するかどうかは未知数であると思われてた。あんな面倒な注射剤が売れるものか。そんな声が大きかった。ところが、風向きは確実に変化した。今ではそうした声は聞かれなくなった。ストロングスタチンだけではコントロール不能な脂質異常症のアンメットニーズは大きいのだ。これまで行われた臨床試験の結果から、抗PCSK9抗体のLDLコレステロール低下作用は疑明確になっている。evolocumab,alirocumabとも、各種試験結果から、2週に1回あるいは月1回投与の単剤治療で、38~53%という成績が示されている。スタチンに抗PCSK9抗体を上乗せするとLDLコレステロール低下作用は60~70%にもなる。FHに対しても有効とはこういうことだ。2週に1回あるいは月1回投与の注射剤のため、最盛期には1剤で100億ドル以上を稼ぎ出したアトルバスタチンほどではないにしても、10億ドル超のブロックバスター製品に成長する可能性は十分にあるのだ。サノフィのalirocumab アリロクマブ Amgenのevolocumab エボロクマブ これらがまもなくやって来る。米国では今夏にFDAの承認を取得するだろう。日本市場はどうか。 3月23日にアステラス・アムジェン・バイオファーマがエボロクマブの国内申請を果たした。 来春には上市される見込みである。サノフィのアリロクマブは、日本では2番手になった。3番手はファイザーのbococizumab ボコシズマブだ。糖尿病患者数は多いが、脂質異常症もまた多いのだ。

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