糖尿病内科

糖質制限についてのLancetの論文

投稿日:06/06/2016 更新日:

糖質制限についてのLancetの論文

糖質制限に関するLancetの論文

糖質制限に関するLancetの論文

Lancet Public Health誌に掲載された食事の糖質の比率と生命予後との関連についての論文です。

糖質制限には賛否両論がある。

これまでの糖質制限についての諸研究に長期のエビデンスはありません。今回のランセットの50から55%が最も良いという論文に対しては賛否両論があります。アルコール摂取を無視している、米国人の摂取カロリーから考えれば、日本人にあてはめれば低炭水化物食とは到底言えないなど。それよりも、今回の論文において意味があったのは「糖質を動物性脂肪や蛋白質に置き換えると死亡リスクは増加し、植物性脂肪で置き換えると死亡リスクが低下する」ということが示されたことではないでしょうか。

日本糖尿病学会の提唱するエネルギー比率に根拠無し。

ちなみに、日本糖尿病学会の食事療法のエネルギー比率もエビデンスはなく、日本で糖尿病臨床をやっている我々にゴールデンスタンダードはありません。

Lancetの論文にも長期エビデンスは無い。

今回ご紹介する論文にも、長期でのエビデンスはないことをお断りしておきます。

今回の研究はアメリカの大規模な疫学データを活用して、どのくらいのレベルの糖質制限が最も生命予後に良い影響を与えるのか検証したものです。

対象となっているのは、アメリカの4つの地域の45から64歳の住民15428名。食事調査を行い中央値で25年の観察期間における総死亡のリスクと糖質のカロリーとの関連を検証しています。

結果

総カロリーにおける糖質の比率が50-55%が最も総死亡のリスクが低く、糖質のカロリーが40%未満であるか、70%を超えていると有意に総死亡のリスクが増加することが確認されました。これまでの同種のデータをまとめて解析したメタ解析においても同様の傾向が確認されました。

糖質以外からのカロリー摂取のバランスで検討すると、糖質を動物性脂肪や蛋白質に置き換えると死亡リスクは増加し、植物性脂肪で置き換えると死亡リスクが低下することが確認されました。

このように、現状長期の死亡リスクという観点で見れば総カロリーの50-55%程度を糖質で摂取するのが最も生命予後に良い影響を与える可能性が高いことが示されています。糖質を制限する場合にはそれを植物性脂肪で置き換えることがベストであるという結果になっています。

今回の結果から、長期の持続的なダイエットにおいては糖質の比率は40%を切らないレベルに維持することが妥当であると考えて良いようです。

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