メタボリックシンドローム

特定健診、従来通り腹囲重視を維持することに。

06/06/2016

特定健診、従来通り腹囲重視を維持することに。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームの腹囲偏重はかねてから問題視されていた。5月にはメタボ健診の腹囲重視是正の可能性が報じられたが、うやむやになったようだ。腹囲が基準値以上かどうかを最初に調べる現在の方法から、高血圧や脂質異常、高血糖といった危険因子を重視する方法に改めることを決めた。2018年度から実施する方針だったのだが・・・

厚生労働省の専門家検討会は6月3日、保健指導の対象を腹囲が基準以上の人とする今の方法を維持することを決めたもようだ。従来の方法では痩せていても高血圧などがある人(いわゆる隠れメタボ)への指導の必要性が指摘されていたが、確かな指導法がないなどとして見送られることになった。最近の研究で、隠れメタボも心筋梗塞や脳卒中などを発症する危険性が高いことが分かってきたのだが。

メタボ健診は企業や市町村が実施主体となり、脳卒中や心臓病など生活習慣病を防ぐ目的で2008年から開始された。40-74歳を対象に、腹囲が基準(男性85cm、女性90cm)以上で、血圧、血糖値、脂質のいずれか一つでも異常がある人は、保健師や管理栄養士らによる保健指導の対象になる。前述のように、腹囲が基準未満でも血圧などに異常がある「隠れメタボ」の人は対象から外れてしまう問題がある。隠れメタボの人は、腹囲が基準未満で血圧などにも異常がない人と比べ、循環器疾患の発症リスクが1.9-2.5倍高いとする厚労省研究班の調査結果があり、どう対応するかが課題になっていたが、先送りになった。 科学的な見地から議論する厚労省の別の検討会は5月、腹囲を前提条件とするのを改め、血圧や血糖値、脂質に異常のある人を保健指導の対象にすることを提案していた。実務面を議論する専門家検討会は3日の会合で、腹囲以外に内臓脂肪の蓄積を測る簡単な手段がないことや、隠れメタボの人への指導法が確立していないことなどから、提案をボツにした。現在、隠れメタボの人には、実施主体が自主的に生活改善を勧めるなどしている。厚労省は今後、望ましい指導法について議論するという。

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