気管支喘息

喘息への長時間作用型β2刺激吸入薬(LABA)の使用は必要最小限度にすべきと米国FDAが発表

投稿日:03/03/2010 更新日:

LABAの使用

シムビコート/気管支喘息

シムビコート/気管支喘息

アポネットR研究会・最近の話題:喘息へのLABAsの使用は必要最小限に留めるべき(米FDA)
上記のブログを読んで衝撃を受けた。最近、単独投与のみならず吸入ステロイドとの合剤で広く使用されている時間作用型β2刺激吸入薬(LABA)の使用を慎重にという、思わぬ警鐘だからだ。詳しくはリンク先の記事をご参照願いたい。重要部分を引用するが、GSKのLABAs、セレベントは存在意義が問われかねない。

  • 喘息のコントローラー(ステロイド剤)の使用なしにLABAsを使用することは禁忌とする
  • LABAsの長期使用は、コントローラーでのコントロールが十分にできない場合に限るべきである
  • LABAsの使用は、喘息の症状のコントロールが成し遂げられまでの必要最少限の使用に留め、コントロールができたのであれば、LABAsの使用はやめられるべきで、コントローラー(ステロイド剤)のみでコントロールされるべきである
  • 喘息を持つ親は、コンプライアンスを高めるため、ステロイド剤とLABAsの合剤を使用すべきである

つまり、FDAではLABAsとステロイドの合剤(アドエア、シムビコート)についても、喘息コントロールができたのであれば長期にわたって使用すべきではないとしているわけだ。このため、GSK社、アストラゼネカ社からは、合剤が死亡リスクや入院リスクを高めるというデータはなく、今回のラベル変更は「非常にあいまい」であると反発しているが、今後、治療ガイドラインの変更につながる可能性もある。

合剤は重症時のみに留め、極力吸入ステロイドだけにせよ、ということでしょう。ただ、臨床の現場では「症状が取れる」方が患者受けは良い。実際、GSKのMRさんによるとフルタイドを使用していた例のかなりの割合がアドエアに移行しつつあるという。今後治療ガイドラインが変わってしまった場合、アドエアに満足している患者を説得してフルタイドに戻すのはなかなか大変な作業になりそうだ。

船橋市においても、糖尿病に気管支喘息を合併している症例が少なくない。ICS/LABAの使用も少なくない。今回の発表を重く受け止めている。

2019年追記:最近ではβ刺激薬の見直しがされていて、時代が変わったな、と思う。
当時、LABAの安全性に懸念が持たれていた。どのような懸念かというと、一言で言うと「効きすぎる」ということであった。自覚症状の改善が大きいので、例えば呼吸機能の改善が十分起きる前に治療を中断したりしてしまったり、もっと最悪な場合、より濃厚な治療を必要としているのに、症状が軽くなることで、その開始が遅れて死亡率が上がるのではないかと考えられていた。そのためLABA単独での使用は行わず、必ず吸入ステロイドと一緒に使用するようになっているのだ。以前、短時間作動型気管支拡張剤(SABA)の過剰使用が週刊誌で取り上げられて、気管支拡張剤=悪者とされていたが、気管支拡張剤が悪いのではなく、平素からの喘息治療を行っていないことが問題だったのだろう。

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