肥満

肥満から糖尿病に至る仕組みを解明。 C/EBP β

06/03/2010

肥満から糖尿病 仕組み解明 C/EBP β

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

肥満状態で膵β細胞が減少して糖尿病を来す機序について徐々に明らかになってきつつある。神戸大の先生方が解明されたC/EBP βがその一例である。この蛋白が膵β細胞に蓄積すると細胞死を招く。逆に、この蛋白を抑制すればβ細胞が増える。この蛋白を抑制することが新たな糖尿病治療のターゲットになり得るだろう。例えばPitavastatin (リバロ)はC/EBP β活性を抑制することが知られている。

Ablation of C/EBPβ alleviates ER stress and pancreatic β cell failure through the GRP78 chaperone in mice
J Clin Invest. 2010 Jan;120(1):115-26.

膵β細​​胞不全は耐糖能異常から明白な糖尿病への進行の根底にあると考えられており、小胞体ストレスはそのようなβ細胞機能不全に関係している。転写因子CCAAT /エンハンサー結合タンパク質ベータ(C/EBPベータ)が高血糖症の発症前の小胞体ストレスの結果として糖尿病動物モデルの膵島に蓄積することを示した。マウスのベータ細胞におけるC/EBPベータのトランスジェニック過剰発現は、ベータ細胞質量を減少させ、血漿インスリンレベルを低下させ、糖尿病の発症をもたらした。逆に、Ins2(Ins2WT/C96Y)のヘテロ接合性変異を保有する秋田マウスおよびレプチン受容体欠損(Lepr -/-)マウスを含む糖尿病のマウスモデルのベータ細胞におけるC/EBPベータの遺伝的除去は、ベータ細胞量の増加と高血糖の改善。膵臓ベータ細​​胞におけるC/EBPベータの蓄積は、転写因子ATF6αのトランス活性化活性の抑制の結果として78kDaの分子シャペロングルコース調節タンパク質(GRP78)の存在量を減少させ、それによってこれらの細胞の脆弱性を増加させた。過剰な小胞体ストレス。したがって、我々の結果は、膵臓ベータ細​​胞におけるC/EBPベータの蓄積が、ERストレスに対する感受性を高めることによってマウスにおけるベータ細胞不全に寄与することを示している。

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