心筋梗塞の術後リスク管理
心筋梗塞
冠動脈の閉塞によりその循環血流域の心筋が壊死し、様々な合併症をきたすもの。
心筋梗塞のリスク管理としては①不整脈②心不全の合併③心破裂があげられる。心筋梗塞の部位によって症状は様々なので心電図にて虚血部位の確認が必要。
1.不整脈があるケースではPTINRを確認し血栓が出来にくい環境なのかを確認
2.PCI等の手術を行った際は残存部位がないかの確認
3.CTにて胸水の生有無(酸素化が悪くなっていないか)
4.一日の尿量を確認し、心機能の悪化がないか
5.薬剤(抗血栓薬、βブロッカー、抗血栓薬、抗不整脈薬、利尿剤)の確認
6.血液データ、心エコーの確認
7.介入時の循環動態・呼吸の確認
を行うことにより心筋梗塞、合併症の心不全の状態の確認を行うことが出来リスクを最小限にした状態で訓練を行うことが出来る。
冠動脈バイパス術後
狭心症や心筋梗塞に対して、閉塞部分の先にグラフトを接続して血液還流量を確保する手術。
1.グラフト採取部の循環確認
2.血圧(高い数値での血圧保持が必要、採取したグラフトに十分な血液を送らなければ閉塞してしまう)
3.胸骨切開に対しての指導(動作指導、禁忌肢位の指導)
解離性大動脈瘤
大動脈の内膜に亀裂を生じ、亀裂から侵入する血液により解離空を形成する。壁の破綻や内空の閉塞により、多様な症状を引き起こすもの。
1.血圧の管理、上限の確認(血圧の上昇で解離が進んでしまう)
2.Yグラフトを行った際は股関節の過度な屈曲は避ける
3.エンドリークがないかの確認をする
閉塞性動脈硬化症
動脈硬化を原因とし、虚血に陥って手足に血行不良が生じる病態。
1.末梢(特に下肢)に傷や浮腫がないかの確認をする(感染対策)