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ボグリボース(商品名:ベイスン)のエビデンス(Victory Study)

07/07/2009

ボグリボースのエビデンス(Victory Study)

victory study

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耐糖能異常者の糖尿病発症をボグリボースが40%低減

耐糖能異常を示す日本人に、生活改善に加えてαグルコシダーゼ阻害薬のボグリボースを投与すると、2型糖尿病発症リスクが40%低下することが明らかとなった。リスク低下は1年以内という比較的短期間に現れ、2型糖尿病の危険因子を多く保有する患者で有意だった。

順天堂大学医学部の河盛隆造氏らが、日本国内の103施設で行った二重盲検群間試験で明らかになったもの。

糖尿病発症はボグリボース群897人中50人、偽薬群881人中106人で、ハザード比は0.595(95%信頼区間0.433-0.818,p=0.014)だった。さらにボグリボース群では血糖が正常化した患者も多かった。

Voglibose for prevention of type 2 diabetes mellitus: a randomised, double-blind trial in Japanese individuals with impaired glucose tolerance.

Kawamori R, Tajima N, Iwamoto Y, Kashiwagi A, Shimamoto K, Kaku K; Voglibose Ph-3 Study Group.
Lancet. 2009 May 9;373(9675):1607-14. Epub 2009 Apr 22.

武田薬品工業はこの結果を受けて、ベイスンに「耐糖能異常」の効能を追加するようだ。耐糖能異常だったらとりあえずベイスンを飲みましょう、と言えることになったわけだ。特定健診に代表される「予防重視」の観点から喜ばしいことだ。そして、武田薬品工業にとっても処方対象を広げるという意味で(コマーシャルな意味で)画期的ではないだろうか。ただし、0.3mgではなく0.2mgに追加なので注意が必要だ。船橋市の糖尿病患者、耐糖能障害患者さんにとっても朗報である。船橋市の糖尿病専門医にとっても朗報である。同じように、α-グルコシダーゼ阻害薬の抗動脈硬化作用はアカルボースで認められており、class effectではないかと思う。ミグリトールでも同じようなエビデンスが出ることを期待する。α-グルコシダーゼ阻害薬の泣きどころは食直前3回内服であるところだ。どうしても飲み忘れが多く、余ってしまいがちなのが難点だ。コンプライアンスを高く保ちつつ、抗動脈硬化作用を発揮できるように頑張ってもらいたいものである。

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