GLP-1

RocheのGLP-1アナログ Taspoglutide(タスポグルチド)

04/12/2009

Rocheが現在第三相試験を進めているGLP-1アナログ Taspoglutide ITM-077

taspoglutide

taspoglutide

週1回皮下注投与で良いのが売りであるが、良い結果が出ているようだ。中外製薬/帝人ファーマが開発。

※2010/09/14 追記 タスポグルチド、臨床試験中止となっている。


週一回投与型GLP-1アナログのTaspoglutide(タスポグルチド)の週1回皮下投与のHbA1c低下作用は BYETTA (バイエッタ;exenatide、エキセナチド) 1日2回皮下投与よりも優れていることが示されたと発表した。

次に、12月2日のWSJにはこんなタイトルの記事が出ている。

Roche Says Diabetes Drug Better Than Merck Januvia

経済紙なので医学的な詳細は書かれていないが、Taspoglutideは第三相試験でメルクのジャヌビアよりも良い結果が出ているようだ。FDAはインクレチン間連薬(これに限らないかも知れないが)の審査には非常に厳格だ。武田のDPP-4阻害薬 ネシーナも、もう一歩のところでストップをかけられてしまったが、ノボノルディスクのVictozaも甲状腺腫との関連でsetbackされてしまったそうだ。このTaspoglutideに対してもその効果、副作用を注意深く見守っているとある。FDAは米国の国益を重視している。それは当然だ。外国のメーカーの新薬より自国のメーカーの新薬を重視するのは、国立機関であれば避けられない動きである。

GLP-1作動薬開発競争はこんな状況だ。ノボノルディスクのリラグルチド(製品名=ビクトーザ皮下注)が先行。これに承 認申請中の日本イーライリリーのエキセナチドが続く。リラグルチドが1日1回、エキセナチドが1日2回注射なのに対し、リリーの「エキセナチド LAR」(フェーズ3)や、中外 (=Roche) のタスポグルチドは週1回注射を目指して開発されている。タスポグルチドは3番手と出遅れてはいるものの、週一回投与で済むのは魅力である。船橋市の糖尿病患者さんに使用できるのはいつの日か。船橋市の糖尿病専門医が使用できる日が来ることが望まれる。タスポグルチドは現在国内フェーズ2で、来年フェーズ3を予定しているようだ。

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