脂質異常症

動脈硬化は自分で気づけない

26/08/2010

動脈硬化は自分で気づけない

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アストラゼネカ/塩野義が動脈硬化性疾患抑制の啓発キャンペーンを行っている。
通勤電車に乗るサラリーマン男性の背中に張られた動脈の絵。プラークが破綻し、みるみる血栓閉塞していく。その男性は突然倒れる。それを目撃して立ち上がった男性も・・・

「その瞬間まで、自分では気づけませんよ。だから、医療機関を受診しましょう。」というメッセージが込められている。

「コレステロール 甘くみない!!!」のキャンペーンは効果があった。私のところにはあのCMを観て受診してきた人が結構いた。今回のキャンペーンもきっと効果があるだろう。

糖尿病患者さんの動脈硬化リスクは高い。しかし、動脈硬化性疾患というものは糖尿病患者にのみ起こるものではない。脂質異常症も代表的リスク要因だ。徳光和夫を起用した、アステラス・ファイザーの「コレステロール 甘くみない!!!」のキャンペーンと同様のキャンペーンをAZ/シオノギも行っているのである。

我々がどんなに日常診療で口を酸っぱくして言うよりも、CMを一本流す方がよほど効果があるのである。悲しい現実であるが、このような試みはドンドンやってほしいものである。

脂質異常症は船橋市の糖尿病患者さんにも数多く存在する。言うまでも無いことだが、動脈硬化の原因となり、心筋梗塞、脳梗塞などの死に至る病につながる疾患である。これらの疾患は、これまでは「定年後」に発病することが多かったが、(※昔から、月曜日の朝、起床から3時間以内に、約8割の方が倒れていると言われている)最近では若年齢化が進んでいるのである。

働き盛りの年代で、発病(心筋梗塞・脳梗塞)することも少なくない。昔は50代で脂質異常となり、20年後の70代で発病というパターンが多かった。危ないのは、20代で脂質異常となってしまった人が20年後、40代になって倒れることだ。

船橋市の糖尿病患者さんに数多い、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患は、老人になってから発病するものと、ほとんどの人が思っている。40-50代のうちは夢にもそんなことを考えていない人が大多数だ。

しかし、現代の40-50代は、バブル世代と重なる。20代のバブル期の頃から優雅な生活が身についてしまっているゆえ、脂質異常になってしまった人が多いのだ。

そのため、現役世代が次々と倒れることになっている。会社で「脳梗塞」で社員が倒れるケースが多発しているのだ。ちなみに、倒れた日の6ヶ月以内に月80時間を超える残業(過労死ライン)を行っていたケースでは「労災」として認められることが増えている。

現在、これらの病気で倒れている方々が、20年前に現役の会社員だった頃の「脂質異常者の割合」は、10%と低くかったのが、ここ20年間で、3倍以上に増えている。

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