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Brittle 1型糖尿病にリラグルチドを追加すると血糖変動が安定する

更新日:

Liraglutide as additional treatment for type 1 diabetes

糖尿病

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Ajay Varanasai, et al.
European Journal of Endocrinology (165)77-84,2011.

Brittle type1 diabetesのBasal-bolus therapyにLiraglutideをアドオンすると不安定だった血糖変動が安定しますよ、という論文。

米国、ニューヨーク州立大学の研究。

【対象と方法】

14人のコントロール良好な1型糖尿病患者でbasal-bolus therapyを行っている者にLiraglutideを追加し、CGM。14人中8人は24 weeks follow up.

【結果】

14人全ての患者で空腹時血糖及び週の平均インスリン濃度が130±10から110±8mg/dl、137.5±20から115±12mg/dlへ各々下がった。1週間後にはインスリン分泌が有意に改善。平均SDは56±10から26±6mg/dlに下がり、変動係数は39.6±10から22.6±7に下がった。それに付随して基礎インスリンは24.5±6から16.5±6へ、追加インスリンは22.5±4から15.5±4に減少した。24週の試験を終えた患者は、平均空腹時血糖値、平均1週間のインスリン濃度、血糖放出、基礎・追加インスリン単位も有意に低下。HbA1cは24週の時点で6.5%から6.1%に低下し、体重も4.5±1.5Kg低下した。

【結論】

Brittle typeの1型糖尿病へのLiraglutideの追加は有効な治療になり得る。体重減少も期待できる。
平均BMI 24±2Kg/m2

liraglutideは全員0.6mgから開始。低血糖を避けるため基礎インスリンは25%減らした。追加インスリンは33%減らして開始。14人中6人は経済的理由でCGM継続困難になったので中止。残りの8人は開始から1週間後に1.2mg,2週間後に1.8mgに漸増。低血糖は増えず。

1.8mg使用できるところが羨ましい。1型といえどもBMI24なのは米国だから。船橋市の糖尿病患者さんには、当然0.9mgまでしか処方はできない。

Brittle type1 DMの症例は血糖400になったかと思えば次は40と、上下変動が激しい。この変動の大きさの積み重ねが血管合併症の引き金になるし、長期的には頻回な低血糖の繰り返しにより警告症状がでなくなり、血糖30程度まで無自覚に経過していきなり倒れるようになってしまう。低血糖の繰り返しで認知症が進みやすくもなる。良いことはひとつもないのである。

しかし、1型糖尿病の問題はインスリン以外の保険適用の狭さである。
経験的にはα-グルコシダーゼ阻害薬の上乗せが血糖変動の大きい症例にはメリットがあるが、毎月査定され、苦い思いをしている。ピオグリタゾン併用が効くケースもある。しかしこれも同様に査定される。少なくとも私の住んでいる都道府県では。

Liraglutideも例外ではない。昨年9月の適応拡大で、2型DMの強化インスリン療法に追加すると、とてもうまくいくケースがある。ひどい肥満が場合劇的に痩せ、血糖改善、インスリン使用量も減る。Brittle type1DMに使用できたらいいな、と思っているところだ。

日本では独協医大のグループが、この「Brittle type1 diabetesのBasal-bolus therapyにLiraglutideをアドオン」に取り組み、多数の改善例を認めているようだ。しかも、驚いたことには栃木県の保険審査会を動かして保険適応を認めさせてしまったという。つまり、1型糖尿病にビクトーザを使っても査定されないのだ。素晴らしい仕事をしているなあ。この動きを全国に拡大させてほしいものだ。

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