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1型糖尿病の食後の血糖コントロールに対する脂肪、タンパク質および血糖指数の影響:CGMにおける集中的な糖尿病管理への示唆

投稿日:18/07/2015 更新日:

1型糖尿病の食後の血糖コントロールに対する脂肪、タンパク質および血糖指数の影響:継続的なグルコースモニタリング時における集中的な糖尿病管理への示唆

Impact of Fat, Protein, and Glycemic Index on Postprandial Glucose Control in Type 1 Diabetes: Implications for Intensive Diabetes Management in the Continuous Glucose Monitoring Era.

Diabetes Care 2015;38:1008-1015.

1型糖尿病における脂肪、タンパク質、GI比の食後血糖コントロールに与える影響
Diabetes Care JUNE

1型糖尿病における脂肪、タンパク質、GI比の食後血糖コントロールに与える影響

CGM時代におけるさらなる血糖管理への示唆。1型糖尿病患者さんは少なくない。参考になる内容だ。

背景

1型糖尿病患者さんの食後血糖推移パターンの複雑性をCGMとカーボカウンティングによって追加インスリンを調整ことで乗り越えようという現在のやり方には限界がある。

方法

MEDLINE、Embase、CINAHL、コクランセントラルレジスターオブコントロールトライアルなどのデータベースを総動員したシステマティックレビューで、1型糖尿病の食後急性期の血糖コントロールにおける食事の脂肪、タンパク質、GI比と、これらの要素を加味した食事の際のインスリン量決定戦略について調査した。

結果

脂肪、タンパク質、GIはすべて食後高血糖に影響を与える。食後時間が経ってからの高血糖は脂肪が大きく影響する。しかし、いくつかの報告では、食後2-3時間の血糖は下げるという結果であった。これは胃内容排出が遅延するからかも知れない。10の報告では高脂肪または高タンパク食に対する追加インスリン量と打ち方について調査していた。研究手法の違いや研究デザインの制限のため、追加インスリンの打ち方については一致しなかったが、高脂肪または高タンパク食では低脂肪低タンパク食よりもより多くのインスリンを必要とすることが示唆された。

結論

以上の報告から、実臨床や患者教育における示唆と、炭水化物単独以上の食事の内容を考慮したインスリン量の決め方を作る必要があると考えられた。

GI比:血糖上昇曲線の面積をブドウ糖と比較したもの

現在、炭水化物が食後血糖に影響する主な栄養素であり、1型糖尿病で食事の際に打つインスリン量を決定する主要な要素と考えられている。最近の研究の新しい知見やCGMのデータでは食事の他の栄養素、脂肪、タンパク質、GI比も食後血糖の変化に有意に影響することが示されている。これらの知見は新たな追加インスリン量算出法の必要性が言われてきており、糖尿病患者への栄養指導とカウンセリングを行ううえで重要になる。アメリカ糖尿病学会ではカーボカウントをマスターした糖尿病患者はたんぱく質と脂質の血糖への影響についての教育を受けることを推奨している。われわれの知る限り、食後血糖におけるたんぱく質、脂肪、GI比の相対的な影響について調査した論文の包括的な検討も1型糖尿病での様々な食事の内容に対していかにしてインスリン量を決定するかの臨床ガイドラインも無い。本研究の目的は、以下の疑問に答えるエビデンスを調べることである。

1.1型糖尿病において食後早期の血糖値にGI比、たんぱく質、脂肪がどのように影響するか。

2.1型糖尿病においてGI比、たんぱく質、脂肪を考慮してインスリン量はどのように決定するのがよいか。

これらの疑問およびわれわれの臨床上の知見を踏まえ、本論文では以下の疑問について議論する。

3.実臨床への影響はどうか。

4.知識格差はどのようなもので、テクノロジーは食後血糖改善にどのように影響するか。

最近の研究はインスリン中心のさらなる糖尿病管理に向かっている。しかし、医学的食事療法のたえの管理栄養士への紹介も含めた食事の内容と時間について焦点を当てることは、血糖コントロールの最適化に重要であろう。ここ数年以内にCGMが1型糖尿病管理にスタンダードになってきたように、食後血糖を一定の範囲内に収めるための挑戦は糖尿病患者にとって避けがたく、かつ重要性を増す焦点となるだろう。

システマチックレビューの手法

質問1と2に対しては、すべての適切な医学データベースの調査を行った。MEDLINE,Embase,CINAHL,トムソンロイターズウェブオブサイエンス、コクランセントラルレジスターオブコントロールドトライアルズである。以下の単語で論文を検索した。1型糖尿病, and 血糖,or insulin,etc.

対象とした論文は英語で1995年3月~2014年11月の1型糖尿病の論文で、成人小児を問わなかった。超速効型インスリン(リスプロ、アスパルト、グルリジン)を使用しているもの。1)同じインスリン量決定法で異なる食事の食後血糖を比較しているか、2)同じ食事で異なるインスリン量決定法を使って比較しているものを対象とした。

開始日の1995年3月は最初の超速効型インスリンリスプロがアメリカで年齢性別人種を問わず使用可能になった日ということで決定した。食事とインスリン量を同時に変更した研究や食事内容を決めていないものや妊婦が対象の研究や運動について扱った研究は除外した。

143の論文が見つかり、リファレンスリストを参照してさらに13の報告が見つかった。127は重複または本レビューの目的に合致しないため除外し、21が2型糖尿病を含んでおり、6が異なったインスリンやレジメンを比較しており、4つがインスリン量と食事を同時に変更していた。残る29の報告を本研究で調査した。

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