メトホルミン

エクメットの忍容性

16/02/2016

エクメットの忍容性

galvusmet

galvusmet ビルダグリプチンとメトホルミンの合剤

エクメットのすすめ

インスリン抵抗性の高い糖尿病患者さんにメトホルミンをお使いになったことはありますか?あるいはピオグリタゾンはいかがでしょうか。

メトホルミンには下痢の副作用が比較的多くみられますが、500mg 程度ならあまり出ません。500mg で忍容性が十分なら 1000mgまで上げていただくと、用量依存性に効果が出ます。

もちろん、ピオグリタゾンを追加されてもよいのですが、最近 ノバルティスのエクア(もともと1日2回が泣き所でした)がメトホルミンとの合剤を発売しました。その名もズバリの エクメットです。

LDはメトホルミン250mg配合、HDは500mgを配合です。エクメットLD,下痢がなければHDにされてみるのはいかがでしょうか。あるいは、ネシーナにピオグリタゾンの併用はいかがでしょうか。武田がリオベルという合剤を 出しています。ネシーナ25+ピオグリタゾン15がLD,ピオグリタゾン30がHDです。武田薬品工業には、メトホルミンとピオグリタゾンを合わせたメタクトという合剤もあります。

インスリン抵抗性の高い2型糖尿病患者像

インスリンの初期分泌が遅く、かつ遅れて過分泌されている場合は、まず食後高血糖になり、 4-5時間後は寧ろ低血糖になってきます。1日3食が望ましいとはいえ、昼食・夕食を減らさずに朝食分だけが増えるとなると 確かに一日の総カロリーが増えるだけに終わると思います。

炭水化物が少ないと、脂肪の異化、または蛋白質の異化が生じます。前者は好ましいですが、後者は 筋肉が落ちてしまうのであまり好ましくありません。運動できないような患者さんにはその点がネックです。

SGLT2阻害薬が難しいとなるとGLP-1受容体作動薬があります。もっと明確に食欲抑制、体重減少作用があります。特に短時間作用型(バイエッタ、リキスミア)はそうです。しかしながら、運動できない状況で使用するとやはり サルコペニア、骨量の低下が避けられません。また、短時間作用型は嘔気や便秘が強いです。QOLがある程度犠牲に なります。GLP-1受容体作動薬を処方している患者さんの反応を見ていると 短時間作用型を打ちながら仕事するのはストレスが貯まるだろうと思ってしまいます。食事の楽しみを捨てる 覚悟が必要と言ったら大げさかもしれませんが、ある程度そうなります。運動できない患者さんを痩せる方向に持って行き過ぎるとサルコペニアになります。SGLT2もGLP-1も避けて頂いたほうが良いと思います。

インスリンの初期分泌、その後の過分泌というのはOGTTをしてみないとわかりませんが、非常に大変な検査です。可能でしたら、空腹時の血清Cペプチドを一度測定いただけると、恒常的に高インスリン血症があるかどうか わかります。もし高インスリン血症で空腹時CPR5ng/ml以上あるようでしたら、食後の過分泌はあると言えるでしょう。

-メトホルミン