糖尿病内科

先進医療Bに振り分け 2型糖尿病患者に対する自己管理支援ICTシステム

13/06/2016

先進医療Bに振り分け 2型糖尿病患者に対する自己管理支援ICTシステム

自己管理支援ICTシステム

自己管理支援ICTシステム

先進医療AとかBとかありますが、そもそも先進医療って何でしょうか。先進医療とは厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療のことです。将来的に健康保険等の適用が検討されている技術を指します。厚生労働大臣が定める医療施設限定で可能です。先進医療にかかる費用は全額自己負担。現在、先進医療の治療は主に日進月歩の分野である癌の治療に用いられています。癌の治療同様、日進月歩の世界である糖尿病領域にも先進医療が適用される時代がやって来ました。

先進医療を適用されるかどうかを決めるのが、厚生労働省の先進医療会議です。この度、同会議は「2型糖尿病患者に対する自己管理支援ICTシステムを用いた療養指導」(適応症=2型糖尿病)を先進医療Bに振り分けました。インスリン自己注射をしていない2型糖尿病患者を対象として、被験者の血糖や血圧、体重などを毎日測定し、データを自動的にシステムに送信し、それに基づき被験者のスマートフォンと連動して食事療法や運動療法の自己管理を促す、IT技術を利活用した一連のシステムです。具体的には、東京大学大学院とNTTドコモが共同研究開発中のICTシステムであるDial Beticsを利用します。患者は原則1日2回、血糖測定器や血圧計などで測定したデータをスマートフォンを通じてシステムに送信するほか、食事や運動の情報も送ります。システムから、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドに沿った評価や、運動による消費カロリーなどが患者に示されるようになっています。これらのデバイスが出揃いつつあるのは既報の通りです。

Googleがサノフィと提携、それ以外にもCGMにも力を入れています。実施に向けて今後、先進医療技術審査部会で技術的妥当性が議論されます。将来的に保険収載になるかどうか同会議があらためて検討する方針です。糖尿病患者さんにその恩恵が一日も早く及ぶことを期待しています。

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