SGLT2

カナグリフロジンだけが消化管の癌を減らす?

21/12/2017

2型糖尿病におけるSGLT2阻害剤および癌リスク:無作為化比較試験の系統的レビューおよびメタアナリシス

SGLT2と胃癌

カナグリフロジンと消化管の癌

SGLT2 inhibitors and risk of cancer in type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.

Diabetologia. 2017 Oct;60(10):1862-1872.

目的/仮説

SGLT2阻害薬と、2型糖尿病の個体における癌のリスクとの間の関連性は依然として不明である。この研究は、2型糖尿病のSGLT2阻害薬での治療に伴う癌のリスクを評価することを目的とした。

方法

われわれは2017年2月15日まで、PubMed、EMBASE、Cochrane Central Control of TrialsおよびClinicalTrials.govを2017年2月15日まで体系的に検索し、少なくとも24日間SGLT2阻害薬で治療された2型糖尿病患者の癌事象を報告する適格無作為化比較試験(RCT)週。我々は、オッズ比および95%信頼区間を計算するために、ペアワイズおよびネットワークメタアナリシスならびに累積メタ分析を行った。

結果

合計で、34,569人のうち580人の癌が46の独立したRCTから同定され、平均治験期間は61週間であった。SGLT2阻害薬は、比較対照(プラセボまたはその他の活性グルコース低下治療)と比較して、全体的な癌のリスク上昇と有意に関連しなかった(OR 1.14 [95%CI 0.96,1.36])。 SGLT2阻害薬(OR 3.87(95%CI 1.48,10.08))、特にエンパグリフロジン(OR 4.49 [95%CI 1.21,16.73])では、膀胱癌のリスクが上昇する可能性がある。興味深いことに、カナグリフロジンは胃腸癌に対して防御的であるかもしれない(OR 0.15 [95%CI 0.04、0.60])。

結論

短期RCTからの現在の証拠は、SGLT2阻害薬を使用する2型糖尿病の個体の全体的な癌の有意に増加したリスクを示さなかった。短期間の試験期間および証拠の不確実性を考慮すると、将来の長期的な前向き研究および市販後のサーベイランス研究が正当化される。

驚くべきことに、数あるSGLT2阻害薬のなかでカナグリフロジンだけが消化管癌リスクを抑制することが示された(OR 0.15 95%CI 0.04~0.60)。抗癌作用機序としては。SGLT1は消化管に強く発現しているが、SGLT1が癌細胞へのブドウ糖取り込みに関与している可能性ありということだ。消化管の抗がん剤としてSGLT1阻害薬が脚光を浴びるかもしれない。また、糖尿病治療と抗癌作用のあるSGLT1/SGLT2デュアルインヒビターにも期待できる。従来品のなかで、カナグリフロジンは他のSGLT2阻害薬に比べSGLT1の阻害効果を持っているから期待できるだろう。今まではSGLT1をブロックするため寧ろ下痢してしまうとして評価されないポイントだったが、逆に評価されるとは皮肉だ。Sotagliflozinという、SGLT1/2デュアルインヒビターSotagliflozin (LX4211) 開発中だが、同様に期待できるかもしれない。船橋市の糖尿病治療を変える可能性がある。

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