NASH合併2型糖尿病患者におけるカナグリフロジンの有効性と安全性(肝生検によるステージングあり)
Efficacy and safety of canagliflozin in type 2 diabetes mellitus patients with biopsy-proven nonalcoholic steatohepatitis classified as stage 1-3 fibrosis.
Diabetes Metab Syndr Obes. 2018 Nov 27;11:835-843.
目的
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、高率に2型糖尿病と関連していることが知られている。SGLT2阻害薬による肝機能の改善はNAFLD合併の有無を問わ2型糖尿病患者において報告されている。しかし、生検で証明されたNASHの2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬の役割を評価しようと試みた研究はほとんどなく、個々の肝線維症の病期を含む詳細な前向き研究は報告されていない。したがって、生検で確認されたNASHの2型糖尿病患者の肝機能に対するカナグリフロジンの効果を調べた。
方法
NASH(肝生検により確認された肝線維症ステージ1〜3、n=10)の2型糖尿病患者を登録し、1日1回12週間、カナグリフロジン(100mg)を投与した。主要評価項目は、ベースラインから12週目までの血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)レベルの変化であった。二次評価項目は、肝機能/線維症マーカー、代謝パラメータ、および安全性であった。
結果
結論
本検討の結果は、カナグリフロジンが2型糖尿病およびNASHを有する患者において有効で、忍容性も十分であることを示唆する。カナグリフロジンは、NASHを有する2型糖尿病患者、特にNASHの初期段階の患者の治療に有用である可能性がある。