SGLT2

1型糖尿病患者にSGLT1/2阻害薬 ソタグリフロジンを追加する効果

18/01/2018

1型糖尿病患者にSGLT1/2阻害薬 ソタグリフロジンを追加する効果

Effects of Sotagliflozin Added to Insulin in Patients with Type 1 Diabetes.

N Engl J Med. 2017 Dec 14;377(24):2337-2348.

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背景

1糖尿病患者さんのほとんどは、インスリン療法単独では十分な血糖コントロールが達成され難い。我々は、1型糖尿病患者のインスリン治療と組み合わせてSGLT1および2の経口阻害剤であるソタグリフロジンの安全性および有効性を評価した。

方法

このフェーズ3では、世界中の133のセンターで実施された二重盲検試験で、ソタグリフロジン(400mg /日)を受けるためのインスリン療法(ポンプまたは注射)による治療を受けている1402人の1型糖尿病患者を無作為に割り当てた。プラセボを24週間投与した。主要エンドポイントは、第24週に7.0%未満のグリコヘモグロビンレベルであった。無作為化後の重度の低血糖または糖尿病性ケトアシドーシスのエピソードはなかった。二次エンドポイントには、グリコヘモグロビンレベル、体重、収縮期血圧、およびインスリンの平均一日ボーラス投与量におけるベースラインからの変化が含まれた。

結果

ソタグリフロジン群の患者さんのほうが有意に多く、主エンドポイント(699例中200例(28.6%)対703例(15.2%)、P <0.001)HbA1c 7%m未満を達成した。ベースラインからの最小自乗平均変化は、グリコヘモグロビンのプラセボ群(差、-0.46%ポイント)、体重(-2.98kg)、収縮期血圧(-3.5mmHg)、およびインスリンの1日平均ボーラス投与量(1日当たり-2.8単位)(全ての比較についてP≦0.002)。重度の低血糖の割合は、ソタグリフロジン群とプラセボ群(それぞれ3.0%[21人]および2.4%[17])において同様であった。血糖値55mg/dl(3.1mmol/L)以下の低血糖の発生率は、ソタグリフロジン群ではプラセボ群より有意に低かった。糖尿病性ケトアシドーシスの率は、プラセボ群(3.0%[21人]および0.6%[4])よりもソタグリフロジン群で高かった。

結論

インスリン投与を受けている1型糖尿病患者のうち、重度の低血糖症や糖尿病性ケトアシドーシスを起こすことなくグリコヘモグロビン値が7.0%未満に達した患者の割合は、ソタグリフロジン投与群ではプラセボ群よりも多かった。しかし、糖尿病性ケトアシドーシスの割合はソタグリフロジン群で高かった。

1型糖尿病患者さんにソタグリフロジン(というか、SGLT2阻害薬全般も同じ)を上乗せすることには意味がある。インスリン非依存性に血糖を下げるからだ。特に基礎インスリン、さらには追加インスリンの用量を減らせるし、上下変動も抑制できるだろう。既存薬の1型糖尿病患者さんを対象にした国内治験は進んでいる。早く実臨床で使いたい。船橋市の1型糖尿病患者さんに朗報だ。

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