インスリン

BOT (Basal supported Oral Therapy)

24/08/2009

BOT (Basal supported Oral Therapy)

ランタス注ソロスター

ランタス注ソロスター

血糖コントロールが悪くてインスリンを導入したいが、「インスリンだけは絶対に嫌だ」と患者に拒否されて効かないままに大量に経口薬を出し続けざるを得ないケースは多いだろう。そんな時に有効なのがグラルギンやデテミルなどの基礎インスリン(Basal insulin)を1日1回補ってあげる方法だ。インスリン分泌が保たれているがインスリン抵抗性のために血糖が改善しないケースには最適な方法である。6-8単位程度の基礎インスリンを補ってあげるだけで、重度でない2型糖尿病は改善することが多い。1日1回の基礎インスリンのみで済むことも少なくない。必要に応じてSU剤やグリニドなどの経口薬(Oral Therapy)を併用してあげても良い。食後の追加分泌能がある程度保たれていればこれでうまくいく。
ただしBOTも万能ではない。食後の追加分泌が悪い人は良くならない。食直前の超速効型を入れてあげることが必須となる。そのようなケースでは、できれば食直前の3回打ち(もしくはさらに基礎インスリンを足して4回打ち)、「どうしても昼は打てない」という人は混合型を朝夕2回打ちにするしかない。
万能ではないものの、経口剤で上手く行かない人のかなりの人は基礎インスリンを1回追加するだけで改善するはずだ。何より1日1回なので手間が少ない。インスリン療法を拒絶している人にも何とか受け入れてもらいやすい。実際、「こんなに簡単で血糖も改善するのならもっと早くやっていれば良かった!」という方が大変多い。それに、入院せずに外来でできるというのも大きな利点である。決して難しくないので、非専門医の先生方にも是非やってみていただきたい。

-インスリン