ヒトGLP-1アナログ製剤、リラグルチド
最近のトピックスであるインクレチン関連薬剤の話題をもう一題。
来年にも発売が予定されているノボノルディスクのヒトGLP1-アナログ製剤である「リラグルチド」についてEASD45において興味深い報告があった。
従来型の糖尿病治療薬の代表といえるSU剤(スルホニルウレア)では、治療しても時間が経過とともに膵β細胞の機能が低下すると言われている。これに対しGLP-1受容体作動薬は、動物実験レベルで膵β細胞の数の減少を食い止め、むしろ増加させることが報告されている。ヒトの膵β細胞の機能を保護、改善することがより明確に証明され、2型糖尿病の本質的な治療として確立されることに期待している。腎臓を保護する作用や、心血管系に対する作用にも期待している。
今回の報告はGLP-1アナログの膵β細胞保護作用を裏付けるものである。
リラグルチド (商品名は Victoza / ビクトーザ )は1日1回皮下注射する。デバイスはフレックスペンであるようだ。薬価次第ではあるが、手間はBOTにおける基礎インスリンと同程度であり、患者さんにとって現実的選択肢に十分なりうる。DPP-4阻害薬やGLP-1アナログの登場で船橋市の糖尿病診療は大きく変わってくるだろう。とても楽しみである。