ノボノルディスクの週1回・GLP-1受容体作動薬 semaglutide セマグルチド
オゼンピックの発売は2年以上延期! 2018/11
NOVO NORDISKの経口GLP-1受容体作動薬 semaglutide のP2 26 weeks は上首尾に終わった。
weekly 皮下注は1mgのone doseだ。HbA1cをbaslineの7.9%から1.9%低下させた(プラセボは-0.3%)。weekly semaglutideの体重減はbaseline平均値の92Kgから -6.5Kgであった(プラセボは-1Kg)。P3 SUSTAIN1も成功した。SUSTAIN1は、食事療法及び運動療法で治療中の2型糖尿病患者388名を対象として、semaglutide0.5mg 及び1.0mgを週1回、30週にわたって皮下注した際の有効性及び安全性について検討したものである。HbA1cに関しては、baselineの平均HbA1c 8.1%に対し、semaglutide 0.5mg及び1.0mg群では各々1.5%,1.6%の有意な改善があった。プラセボ群は不変。HbA1c7%未満を達成した割合は0.5mg群で74%、1.0mg群で73%であった(プラセボ群は25%)。
体重に対する影響は、baseline体重92Kgに対し、プラセボは1Kg減少、semaglutide0.5mg群は3.8Kg, 1.0mg群は4.6Kg減少した。
semaglutideの特長は経口と週一回皮下中の2つの経路があることだ。
P2で経口のsemaglutideは毎日一回内服。2.5mg-40mgの幅が設定された。P2では用量依存的にHbA1cをbaslineの7.9%から0.7-1.9%低下させた。
これまで注射剤しかなかったGLP-1受容体作動薬。注射剤であるがために患者に拒否されることもしばしばであったわけであるが、内服薬が登場することを歓迎したい。肥満のある2型糖尿病患者さんに使いたい。現在のところ、内服薬の体重減少作用ははっきりしていないが、まずは内服でも安全であるということを確認したいらしい。
ノボノルディスクはセマグルチドの国際共同P3を開始する。
ノボノルディスクは経口セマグルチドの国際共同P3を開始する。試験参加国に日本が含まれるかどうか不明である。国際共同P3のプログラムは7つの試験からなる「PIONEER」。最初のstudyは2016年1-3月期に開始予定で、セマグルチド3mg、7mg、14mgの有効性と安全性について経口血糖降下薬のDPP-4阻害薬シタグリプチン100mgを対照に比較検討する。 セマグルチドは週1回の注射薬の国際共同P3は現在、日本も含め進行中である。
週一回型GLP-1受容体作動薬がいくつも出てきて素晴らしい。海外用量と同じものがビデュリオンしかない。
トルリシティ
Tanzeum
に加えて本剤。オゼンピックは糖尿病治療の一助となろう。
2018年5月下旬発売予定だが…延期?
オゼンピックは5月24日からの第61回日本糖尿病学会総会に合わせて発売される見込みであったが、ここに来て発売延期になる可能性が出てきた。原因は加算関係がまだ詰められていないという厚生労働省側の事情のようだ。これまでのWeekly GLP-RAはペンニードル、マイクロファインプラス、ナノパスニードルのような一般的な針を使うことはなかったが、今度のデバイスはフレックスタッチであるため、針が必要である。
平成30年度診療報酬点数には以下の記載がある。
C153 注入器用注射針加算
1 治療上の必要があって、1型糖尿病若しくは血友病の患者又はこれらの患者に準 ずる状態にある患者に対して処方した場合
200点
2 1以外の場合
130点
(1) 区分番号「C151」注入器加算に規定する「注入器」を処方せず、注射針一体型でな いディスポーザブル注射器を処方した場合は、注入器用注射針加算のみ算定する。
(2) 注入器用注射針加算は、注入器用注射針を処方した場合に算定できる。この場合におい て、「1」の加算は、以下の場合に算定できるものであり、算定する場合は、診療報酬明 細書の摘要欄に次のいずれに該当するかを記載すること。
ア 糖尿病等で1日概ね4回以上自己注射が必要な場合
イ 血友病で自己注射が必要な場合
GLP-1RAは1型糖尿病には処方できないから、2になるだろう。
でも、オゼンピックは月に4本しか針を必要としない。ふつうは一袋14本だから、3か月以上もってしまう。あとの2か月も算定するのか?それを避けるために袋を破ってバラで4本処方するのか?後者になりそうだが、清潔ではないような・・・
この辺の悩ましい事情が残っている。