1型糖尿病の食事療法・カーボカウント|実践的方法・インスリン計算

1型糖尿病の食事管理において、カーボカウント(Carbohydrate Counting)は最も重要なスキルです。食事の糖質量を把握し、適切なインスリン用量を計算することで、血糖コントロールを改善できます。

カーボカウントの基本

カーボカウントは、以下の3つのステップで実施します。

  1. 食品の糖質量を把握する:食品成分表、栄養表示、目分量などを利用。
  2. インスリン比(ICR)に基づいてインスリン用量を計算する
  3. 食事前にインスリンを注射する

インスリン比(ICR:Insulin-to-Carbohydrate Ratio)

インスリン比は、何gの糖質に対して1単位のインスリンが必要かを示す値です。

  • :ICRが1:10の場合、糖質10gに対してインスリン1単位が必要。
  • 計算式:追加インスリン単位 = 糖質量(g)÷ ICR

ICRは個人差が大きく、主治医と相談して決定します。一般的には、1:5〜1:20の範囲です。

血糖修正係数(ISF:Insulin Sensitivity Factor)

血糖修正係数は、1単位のインスリンで血糖値が何mg/dL低下するかを示す値です。高血糖時の修正用量を計算するために使用します。

  • 計算式:修正インスリン単位 = (現在血糖値 − 目標血糖値)÷ ISF
  • :ISFが50の場合、血糖値を50 mg/dL下げるためにインスリン1単位が必要。

食品の糖質量の把握方法

食品成分表の利用

日本食品標準成分表や、スマートフォンアプリを利用して、食品の糖質量を調べます。

栄養表示の確認

加工食品の栄養表示には、炭水化物量(糖質+食物繊維)が記載されています。糖質量は「炭水化物量 − 食物繊維量」で計算します。

目分量の習得

慣れれば、目分量である程度正確に糖質量を推定できるようになります。以下は代表的な食品の糖質量の目安です。

食品 分量 糖質量(g)
ご飯 1膳(150g) 55
食パン 6枚切り1枚 27
うどん 1玉(200g) 50
りんご 1個(200g) 28
牛乳 200mL 10
じゃがいも 1個(150g) 25

血糖指数(GI:Glycemic Index)

GIは、食品が血糖値に与える影響の速さを示す指標です。同じ糖質量でも、GIが低い食品は血糖値の上昇が緩やかです。

  • 高GI食品(70以上):白米、食パン、じゃがいも、清涼飲料水
  • 中GI食品(56〜69):玄米、全粒粉パン、バナナ
  • 低GI食品(55以下):豆類、野菜、果物(りんご、オレンジ)、全粒穀物

低GI食品を選択することで、食後血糖値の上昇を抑制できます。

外食時のカーボカウント

外食時は、以下の方法で糖質量を推定します。

  • レストランの栄養情報を利用する
  • スマートフォンアプリで類似食品を検索する
  • 目分量で推定する(慣れが必要)

外食時は糖質量の推定が難しくなるため、インスリン用量をやや控えめに設定し、食後に血糖値を確認して修正する approach も有効です。

1型糖尿病の食事のポイント

  • 糖質を完全に制限しない:1型糖尿病では、糖質を適切に管理すれば摂取可能。極端な糖質制限は低血糖リスクを増加。
  • 食物繊維を多く摂る:野菜、豆類、全粒穀物を意識的に摂取。
  • 規則正しい食事:食事時間を一定にし、インスリン療法と合わせる。
  • 間食の活用:低血糖予防や運動前に適切な間食を摂る。

よくある質問

カーボカウントとは何ですか?

カーボカウント(Carbohydrate Counting)は、食事の糖質量(炭水化物量)を把握し、それに応じた追加インスリン用量を計算する方法です。1型糖尿病の食事管理の柱となります。

インスリン比(ICR)とは何ですか?

インスリン比(ICR:Insulin-to-Carbohydrate Ratio)は、何gの糖質に対して1単位のインスリンが必要かを示す値です。例:ICRが1:10の場合、糖質10gに対してインスリン1単位が必要。

1型糖尿病で食べてはいけないものはありますか?

1型糖尿病で絶対に食べてはいけない食品はありません。糖質を含む食品は、適切なインスリン用量を計算すれば摂取可能です。ただし、血糖値を急激に上昇させる食品(清涼飲料水、菓子類)は注意が必要です。

外食時のカーボカウントはどうすればいいですか?

外食時は、食品成分表やレストランの栄養情報を利用し、糖質量を推定します。慣れれば目分量である程度正確に推定できるようになります。

血糖指数(GI)とは何ですか?

GI(Glycemic Index)は、食品が血糖値に与える影響の速さを示す指標です。低GI食品(玄米、全粒粉パン、豆類)は血糖値の上昇が緩やかで、1型糖尿病の食事管理に有用です。

関連ページ